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立川 仁典*; 志賀 基之
Journal of the American Chemical Society, 127(34), p.11908 - 11909, 2005/08
被引用回数:84 パーセンタイル:84.85(Chemistry, Multidisciplinary)水素の同位体効果は水素結合の強さを微妙に変えることがある。水クラスターの正イオンと負イオンの配置の同位体効果を第一原理経路積分分子動力学法により詳細に解析したところ、重水素置換により正イオンでは酸素間結合が縮むのに対し、負イオンでは酸素間結合が伸びることを見いだした。前者はOH結合の非調和性のためであり、後者はO-H-O結合の共鳴のためであると考えられる。
熊田 高之; 田地川 浩人*; 高柳 敏幸*
Physical Chemistry Chemical Physics, 7(5), p.776 - 784, 2005/02
被引用回数:12 パーセンタイル:38.35(Chemistry, Physical)以前Hと同定されていた放射線照射固体パラ水素中に観測された4本線の電子スピン共鳴(ESR)信号を再調査した。実験と理論計算値を照らし合わせた結果、4本線はHではなくHのものであることが判明した。新しい同定のもとに、以前に測定されたオルト-パラ変換,同位体効果,量子拡散などのデータを全て解析し直した。本論文の最後には、気体水素の放射線分解ではHイオンが生じるのとは対照的に、固体水素に放射線を照射したときに生成するイオン種はHであるというモデル提案した。
中村 博文; 洲 亘; 林 巧; 西 正孝
Journal of Nuclear Materials, 313-316(1-3), p.679 - 684, 2003/03
被引用回数:17 パーセンタイル:72.74(Materials Science, Multidisciplinary)核融合炉においては構成材料からのトリチウムの透過評価が安全確保のうえで重要である。このためプラズマ対向材料であるタングステンと代表的材料である鉄及びニッケルについて純トリチウムのイオン注入透過挙動に関する実験的研究を行った。また、全く同一の装置・条件下で重水素のイオン注入透過挙動の測定を行い、同位体効果の調査を行った。定常透過量に関しては、トリチウムと重水素で顕著な差は無くほぼ同様であるとの結果を得た。過渡挙動の解析からは、タングステン及びニッケル中のトリチウムの拡散係数が700Kの測定温度範囲内において重水素の係数より数%から数十%大きいという結果を得た。また、拡散の活性化エネルギーについては、トリチウムに関し、ニッケルでは重水素より5kJ/mol程度小さく、タングステンでは逆に5kJ/mol程度大きい値を得た。これらの過渡挙動解析から得た結果は、拡散係数が質量の1/2乗に逆比例し活性化エネルギーは等しいとする古典拡散理論を単純には適用できないことを示すものである。
相原 純; 北條 喜一; 古野 茂実*; 石原 正博
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 191(1-4), p.540 - 543, 2002/05
被引用回数:4 パーセンタイル:29.4(Instruments & Instrumentation)水素又は重水素を注入したSiCを120kV又は200kV電子線照射すると、イオン注入直後にはほとんどバブルが観察されなくてもバブルが生成し成長することが観察された。試料として-SiC薄膜を用い、イオン注入及び電子線照射は、イオン加速器と連結した透過型電子顕微鏡内で室温で行った。イオン注入後、試料の非晶質化は起こったがバブルははっきり確認することができなかった。電子線照射を行うと、バブル生成及び粗大化が観察される場合もあった。バブル粗大化が起こる場合には試料厚さ依存性が観察された。また、バブル粗大化はHを注入した場合の方がDを注入した場合よりも起こりやすかった。また、バブル粗大化の電子線エネルギー依存性ははっきりと確認することはできなかった。また、電子線フラックス依存性は実験を行った範囲ではみられなかった。
中村 博文; 林 巧; 角田 俊也*; 鈴木 卓美; 西 正孝
Journal of Nuclear Materials, 297(3), p.285 - 291, 2001/09
トリチウム透過挙動実験装置を使用した、初めての純トリチウムイオン注入透過実験を実施した。実験は、1273Kで3時間の焼鈍処理を施した25m厚さのタングストン膜を使用し、重水素(D)透過実験、トリチウム(T)透過実験の順に行った。定常状態におけるDとTの透過は、入射側-透過側ともに拡散律速であることが明らかとなり、D,T間での顕著な同位体効果は観察されなかった。この効果は理論的にも妥当なものであった。過渡状態におけるD,Tの透過に関しては、求められた包括的拡散係数においてD,T間で同位体効果が観察されたものの、何の輸送課程に起因する同位体効果であるかについては、明らかとならなかった。
黒崎 譲; 高柳 敏幸
Journal of Chemical Physics, 113(10), p.4060 - 4072, 2000/09
被引用回数:22 パーセンタイル:55.85(Chemistry, Physical)反応H+CHH+CH(1)及びこれを同位体置換した反応、HD+CHH+CHD(2), DH+CHD+CH(3),D+CHD+CHD(4),H+CDH+CHD(5)の反応速度定数を、トンネル補正を加えた変分的遷移状態理論により計算した。その結果、これらの反応に見られる同位体効果はほとんど一次同位体効果によるもので、二次同位体効果及び反応経路(IRC)の曲率の効果は比較的小さいことが明らかとなった。このことは、分子軌道計算からも明らかなように、これらの反応のポテンシャルが「early」であることに起因すると思われる。また、反応1と2の反応速度定数の計算結果は、実験結果とかなり良い一致を示した。
黒崎 譲*; 高柳 敏幸
Journal of Chemical Physics, 110(22), p.10830 - 10842, 1999/06
被引用回数:20 パーセンタイル:53.61(Chemistry, Physical)反応CH+HCH+H(I)及びCD+HCDH+H(II)の反応速度における同位体効果について、変分的遷移状態理論及び準古典的多次元トンネリング法を用いて理論的に考察した。まず、反応IとIIのポテンシャル面を量子化学的手法により計算した。次に、得られたポテンシャル面を用いて、多次元トンネリングを準古典的に考察した変分的遷移状態理論により反応速度定数を求めた。実験的には、5Kの固体パラ水素中で、反応IIの方が反応Iより反応速度が速いことが報告されている。ここでの計算の結果、理論的にも反応IIの方が反応Iよりも5Kで反応速度が速いことが予測され、実験結果を定性的に説明することができた。
黒崎 譲*; 高柳 敏幸
Chemical Physics Letters, 299(1), p.57 - 63, 1999/00
被引用回数:15 パーセンタイル:43.56(Chemistry, Physical)反応CH+HCH+H(I)及びCD+HCDH+H(II)における異常な同位体効果について理論的に考察した。実験的には、固体パラ水素中でCHI(CDI)を光分解し、CH(CD)を生成させて5Kでしばらく放置すると、CHI/p-H系ではCHの生成は確認されなかったがCDI/p-H系ではCDHの生成が確認された。すなわち、反応Iは起こらないが反応IIは起こることが見出された。本理論計算では、この同位体効果を説明するために、反応I,IIの固有反応座標(IRC)を高精度の非経験的分子軌道法により求め、さらにIRCに直交する基準振動の振動数も計算し、反応途中でのゼロ点振動エネルギーの値も見積もった。その結果、従来の意味での同位体効果は予想通りほとんどないが、ゼロ点振動エネルギーを考慮したeffectiveなポテンシャルを比較すると、反応IIの方が反応Iより反応障壁が低く障壁の幅も小さいことが明らかとなった。このことは反応IIの方がトンネル確率が大きいことを意味しており、上の実験結果を良く説明している。
熊田 高之; 北川 尚紀*; 森 昇治*; 熊谷 純*; 荒殿 保幸; 宮崎 哲郎*
Journal of Low Temperature Physics, 114(5-6), p.413 - 429, 1999/00
固体パラ水素中に生成したHアニオンは、固体水素の量子性を反映した非古典的減衰挙動を示す。本論文において、その減衰機構とそれに伴うHアニオンの量子拡散挙動を解明した。実験の結果、減衰速度が(1)Hやカチオンの濃度ではなくHDのそれに比例する、(2)添加したNeの量にも比例する、(3)3K以下では温度とともに正比例的に増加、3-5Kにおいては逆に減少、5K以上では指数関数的に増加することを新たに見いだした。これらはそれぞれ、(1)Hの減衰がカチオンとの中和やH原子への電子移行反応:H+HH+Hではなく、HDとの反応によること、(2)拡散種はHDではなくHであること、(3)3K以下、3-5Kの結果はそれぞれ、one-phonon relaxation,two-phonon assistを伴った量子拡散過程によりHが固体中を拡散していることを示している。特に3-5Kの温度依存性の逆転は、Meyerovich等が提唱するBiased Diffusionによるものであると思われる。
熊田 高之; 森 昇治*; 熊谷 純*; 荒殿 保幸; 宮崎 哲郎*
Journal of Physical Chemistry A, 103(45), p.8966 - 8968, 1999/00
被引用回数:13 パーセンタイル:39(Chemistry, Physical)固体パラ水素(p-H)中に捕捉されたラジカル種のESRスペクトルは、マトリックス中の核スピンによる局所的な磁気摂動がないために、高感度、高分解能で測定される。われわれはこのような特徴を生かして、線照射した固体para-H-D(HD)混合系中に、高感度、高分解能のエレクトロンバブルのESRスペクトルを得ることに成功した。このエレクトロンバブルは、para-H中のD(HD)の濃度が大きいほど多くの収量が得られ、逆にこれらの同位体不純物を含まない純粋なpara-H中では観測されない。以上のことから、エレクトロンバブルは固体中のD(HD)が作るひずみにトラップされていると考えられる。また、減衰速度が温度にほとんど依存しないことから、量子力学的トンネリングにより拡散、消滅していることが示唆される。
佐藤 圭*; 三澤 和昭*; 小林 泰英*; 松井 美穂*; 綱島 滋*; 黒崎 譲*; 高柳 敏幸
Journal of Physical Chemistry A, 103(43), p.8650 - 8656, 1999/00
被引用回数:27 パーセンタイル:64.06(Chemistry, Physical)パルス放射線分解-原子共鳴吸収法を用いてN(D,P)原子とCH及びCDとの反応速度定数を測定した。分子軌道計算結果を用いた遷移状態理論により実験結果を解析した。その結果、非断熱遷移が重要であることを明らかにした。
鈴木 篤之*; 長崎 晋也*
PNC TJ1602 98-002, 71 Pages, 1998/03
前半部では、ウランとコロイド粒子との固液界面における結合状態を解明するための方法論確立のため、レーザラマン分光を用い、銀コロイド表面に吸着したU(VI)イオンのSERSスペクトルの測定を行った。吸着に際して配位子を部分的に開放するか全く開放しない形で吸着することを明らかにするとともに、各ラマンシフトの同定を試みた。また、同位体効果や偏光ラマンの適用可能性を検討した。後半部では、Np(IV)のベントナイトへの吸着挙動をバッチ法により測定し、表面錯体モデルの有効性を明らかにした。さらに圧密ベントナイト中におけるNp(IV)の拡散を調べ、拡散と表面錯体を同時に考慮してフィッティングを行った。最後に、ベントナイトコロイドと結合したNp(IV)のカラム内移行実験を行い、コロイドを形成することで移行が促進される可能性を示した。また、移行モデルとの比較を行った。
河村 繕範; 榎枝 幹男; 奥野 健二
Fusion Engineering and Design, 39-40, p.713 - 721, 1998/00
被引用回数:8 パーセンタイル:57.28(Nuclear Science & Technology)固体増殖ブランケット内で増殖されたトリチウムの放出挙動を把握するためには、各移動過程でのトリチウムの移動速度とインベントリーを求める必要がある。特に表面反応の影響が無視できないことが指摘されており、筆者らは、水分吸脱着挙動等の系統的調査を行ってきたが、今回は、水素添加スイップガスを用いた際に生じる同位体交換反応に着目し、リチウムジルコナート充填層を用いたH-D系交換反応実験を行った。交換反応は気相水素-表面吸着水間の交換反応が律速であることがわかり、データより反応速度定数及び平衡定数を得た。これにより増殖トリチウムを回収する際にスイープガスに添加すべき水素濃度の算出が可能である。また、物質移動抵抗を水分脱着と比較し、条件によっては、水素を添加しても効果がみられない場合があることを指摘した。
熊田 高之; 荒殿 保幸; 宮崎 哲郎*
Journal of Low Temperature Physics, 111(3-4), p.509 - 514, 1998/00
この論文はHアニオンの今までの成果をまとめたオートレビューである。一般の固定水素と比べ、パラ水素をアイソレーションマトリックスとして用いると、捕捉されたラジカルのESRスペクトルの分解能が大幅に改善される。われわれはこのパラ水素マトリックス中を用いHアニオンの観測に初めて成功した。またH分子とは逆に、このHは極低温でパラオルソ変換が起きていることが確認された。この逆方向の変換はH分子とHアニオン中のプロトンの交換に対する波動関数の対称性から説明される。
荒殿 保幸; 松本 拓郎*; 高柳 敏幸; 熊田 高之; 駒口 健治*; 宮崎 哲郎*
Journal of Physical Chemistry A, 102(9), p.1501 - 1506, 1998/00
被引用回数:13 パーセンタイル:40.55(Chemistry, Physical)超・常流動He-He媒体中でのトリチウム原子と水素同位体分子とのトンネル引抜反応、T+HD(DH)HT(DT)+D(H)及びT+H(D)HT(DT)+H(D)、を実験(1.3K)・理論の両面から検討した。実験から得たH,D系での大きい同位体効果(~150)やHD系からの~200同位体効果及びこれらと理論計算との比較を行い、反応過程としてファンデルワールスコンプレックス形成を伴うトンネル引抜反応機構を提案した。
竹下 英文; 渡辺 斉*
Journal of Nuclear Materials, 208, p.219 - 222, 1994/00
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Materials Science, Multidisciplinary)トリチウム増殖材料である酸化リチウム(LiO)は、水蒸気と反応して容易に水酸化リチウムを生成する。増殖材料が装填されるブランケットからトリチウム(TO)を連続的に回収するためには、水酸化リチウム(LiOT)が生成しない運転条件を設定することが必要である。このような観点から、我々は水酸化リチウム(LiOH)の解離水蒸気圧を測定し既に報告したが、実際上必要なLiOTの解離圧は実験上の困難さもあるため報告は皆無であった。我々は、一般に水素を含む化合物では同位体効果が無視できないことを考慮し、解離圧に対する水素同位体効果を重水素化水酸化リチウム(LiOD)を用いて調べた。その結果、LiODの解離圧がLiOHより10~15%高いことを明らかにした。このことからLiOTの解離圧もLiOHより高いことが十分に期待でき、LiOHのデータを基に設定される運転条件は安全側であると言える。
小西 哲之; 大平 茂; 林 巧; 渡辺 哲郎*; 井上 雅彦*; 成瀬 雄二; 奥野 健二; Barnes, J. W.*; W.Harbin*; Bartlit, J. R.*; et al.
JAERI-M 93-088, 18 Pages, 1993/03
原研は日米協力協定AnnexIVに基づいて米国ロスアラモス国立研究所のTSTAにおいて核融合炉燃料ループの模擬試験を共同で行っている。その一環として、原研製燃料精製システムを設計、製作してTSTAに設置、結合した。この装置に於て、水素同位体を精製するパラジウム拡散器の基本的な特性である透過性能を測定した。透過流量は概ね1/2乗則に従うが、透過側圧力の低いときにはある一定の圧力差までは透過が起こらない現象が見いだされた。これはパラジウム合金表面の不純物に起因するものと思われ、酸化処理によりその悪影響は減少した。
藤谷 善照*; 宮崎 哲郎*; 笛木 賢二*; 正木 信行; 荒殿 保幸; 佐伯 正克; 立川 圓造
Journal of Physical Chemistry, 95(4), p.1651 - 1654, 1991/00
被引用回数:5 パーセンタイル:25.43(Chemistry, Physical)JRRリドタンクにおいて中性子照射により生成した反跳トリチウム原子の反応を4.2K固体H-D中で研究した。4.2KJ-D中で反跳トリチウム原子の反応によるHTの収率を4.2KH-Dの線分解で生成されるH原子の収率と比較し、HTの生成は原子炉照射時の固体水素の線分解によるH原子と熱化したT原子との再結合によるものではなく、反跳T原子によるHおよびDからの引き抜き反応によると結論した。量子力学的トンネルにより熱化T原子の水素原子引き抜き反応の速度定数には4.2Kにおいて大きな同位体効果が予想される。一方、ホットT原子反応では同位体効果は現れない。固体水素中でのホットT原子反応による生成物の収率をホット原子反応と熱化原子反応に対する同位体効果の差から計算し、4.2K固体水素中では反跳トリチウムの90%以上が熱化する以前にホット原子反応により水素分子と反応すると結論した。
藤谷 善照*; 宮崎 哲郎*; 笛木 賢二*; 正木 信行; 荒殿 保幸; 佐伯 正克; 立川 圓造
Bulletin of the Chemical Society of Japan, 63(2), p.520 - 524, 1990/02
被引用回数:1 パーセンタイル:15.74(Chemistry, Multidisciplinary)反跳T原子の反応を77kのXe-H-D混合系で調べた。77k Xe-H(D)-LiF混合固体に中性子照射を行い、Li(n,)T反応により生じた反跳T原子をH(D)と反応させた、反応生成物であるHT,DTはラジオガスクロマトグラフィーにより分析した。T原子によるHおよびDからの引き抜き反応の同位体効果を、HTとDTの生成量から求めた。この同位体効果は、水素濃度が0.1~1.0mol%の時1.1であり、これは、この水素濃度では、ほとんどの反跳T原子が熱化しておらず、ホット原子反応によってHTとDTが生成されていることを示している。水素濃度0.1mol%以下では水素濃度が減少するとともに同位体効果が増大する。0.01mol%での同位体効果3.1は、熱化したT原子のトンネル反応により説明できる。今回の固相での結果を気相の場合と比較すると、気相では約10%の水素濃度でホットT原子の熱化が起きているのに対して固相では0.1mol%以下にならないと熱化しないことが明らかとなった。
中村 彰夫
Studies of High Temperature Superconductors; Advances in Research and Applications,Vol. 4, p.311 - 337, 1990/00
高温超電導体における電子対形成及び超電導への一つの新しい理論的アプローチとして、筆者が現在提案を行っている多重原子価共鳴凝縮モデルについて、詳細な解説と議論を行なった。酸化物高温超電導体とA-15型合金超電導体に主要な焦点を当て、まず本モデルの示唆する結晶分子内のミクロな化学共鳴が結晶全体に一、二、三次元的にコヒーレントに拡がった量子力学的共鳴凝縮状態が高温超電導状態であるとする考えが、実際の核種超電導体に良く当てはまる事を例証した。次に、この基礎の上に導かれた超電導転移温度Tの理論式が、酸化物超電導体系での酸素の同位体効果、従来の金属系超電導におけるTM/2=constantなる関係式(BCS limit)、PdH(D)系でのHD置換に伴う逆同位体効果等の、様々の同位体効果の挙動を矛盾なく系統的に説明し得る事を示した。今後の理論の展開の方向について、最後に又議論を行なった。